第1章では、太陽で何が起きているのかを見てきました。

黒点が発達し、磁場にエネルギーが蓄えられ、フレアやCMEが起こる。では、そのエネルギーや粒子は、太陽を離れたあとどうなるのでしょうか。

太陽と地球のあいだの空間は、「何もない真空」だと思われがちです。

しかし実際には、そこには太陽から絶えず流れ出す粒子の流れがあります。

これを太陽風といいます。

太陽風は、電子や陽子からなるプラズマです。

それは太陽を離れたあとも止まることなく流れ続け、地球を含む太陽系全体を満たしています。

つまり、地球は静かな宇宙空間に浮かんでいるのではありません。

常に太陽風の流れの中にあるのです。

このように、太陽風が存在している空間を惑星間空間と呼びます。


図2-2 惑星間空間を伝わる太陽風

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太陽から地球までの距離は約1天文単位(1億5千万km)です。

太陽風はこの距離を数日かけて進みます。

そのため、太陽で起きた出来事と、地球で起きる宇宙天気現象のあいだには時間差が生じます。

ここで考えてみましょう。

もし惑星間空間がただの「通り道」なら、地球で起きることは太陽の活動だけで決まるはずです。しかし実際には、太陽風の速さや密度、そして磁場の状態は時間とともに変化しています。その変化が地球に到達したとき、宇宙天気として現れます。

つまり、宇宙天気は